■遺産をめぐる争いや相続人の抱える事情が相続を泥沼化へと導きます!
人は必ず死にます。
亡くなれば、何かしらの相続手続が必要です。
一般的には、亡くなった後には、葬儀を終えてから、相続手続を行うという流れです。
相続手続が何も発生しないという方はいません。
ですから、相続手続を円滑に終わらせたいというのが、ご遺族の意向です。
相続手続の順序としては、
1.相続人調査
亡くなった方(被相続人)の相続人が誰であるのかを調査します。
具体的には、戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍謄本を収集して相続人を確定します。
2.相続財産調査
亡くなった方の遺産が何かを調べます。
不動産・預貯金・有価証券・自動車等を調査します。
3.遺産分割協議
相続人が確定し、相続財産が把握できれば、あとは、相続人間で遺産をどのように分配するのか協議します。
遺産分割こそが相続手続の最大のヤマとも言えます。
この遺産分割協議がまとまれば、あとは、手続に進むというのが流れです。
※遺産分割協議とは参照
ところが、遺産分割協議がまとまらないことがよく起こります。
遺産分割協議がクリアできないと相続手続が長期化や泥沼化になってしまいます。
そのような事例を数多く見てきましたので、断言できます。
遺産分割協議がまとまらない理由を考察すると、
1.相続人同士が不仲
同じ屋根の下で暮らした者同士であっても、幼少期から不仲であったり、大人になってから関係が亀裂が生じていたりする等で不仲であると、遺産分割協議以前の問題となります。
お互いがけんか腰であったり、一方がひどく煙たがったり、嫌っていたりするので、当事者間で話し合いができない状態です。
2.強欲
相続人の中には、とにかく欲が強すぎて、他の相続人には一切あげたくないという態度を示す者もいます。
独占しようとしたり、特定の財産(自宅等)だけはどうしても取りたいという主張を繰り返すので、協議が平行線で終わります。
中には遺産を使い込んでいるケースもあります。
3.非協力的
相続人の中には、遺産分割協議にまったく参加する意思がない者もいます。
ひきこもりや精神疾患を抱えていたりする等でコミュニケーション能力がない(コミュ障)のです。
4.相続人同士が面識がない
相続手続の中には、被相続人に子がいないため、兄弟姉妹(亡くなっていれば、甥や姪)が相続人になるケースもあります。
そうすると相続人同士の関係が希薄であったり、中には全く面識もない者同士もあり得ます。
面識がない者同士が遺産分割協議を行うのはハードルが高いです。
5.生前贈与
相続人の中に、被相続人から生前に結婚資金や住宅資金などの財産の特別な利益を受けている者(特別受益者)がいる時は、その分を考慮して相続分を決めます。
ところが、生前贈与のことを指摘しても、反論して一切応じない特別受益者もいます。
6.寄与分
被相続人の生前に財産の維持や増加に貢献(家業の手伝いや介護等)した法定相続人は、貢献の程度に相当する額(寄与分)を相続分に加算できます。
遺産分割協議で寄与分を主張しているにもかかわらず、他の相続人が認めようとしないことも起こります。
7.その他
他にも相続人の中に住所不明であったり、行方不明、海外在住、認知症等もあります。
これらの場合は、住所調査を行ったり、裁判所への申立を行うことで、対応できますが、どうしても時間がかかります。
以上です。
相続人同士で遺産分割協議ができない、あるいはまとまらない場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停の申立を行います。
調停では、調停委員が相続人同士が合意できるように模索してくれます。
相続人全員が合意すれば、調停成立となります。
それでもまとまらない場合は、自動的に遺産分割審判となります。
審判まで行くと時間とお金もかかりますし、精神的にも負担がかかります。
相続で争いになると相続人同士の関係が修復不能となりますので、その後の関わりは一切なくなると思ってください。
相続手続で無用な争いを起こしたくないならば、事前に相続対策を立てることをおすすめしています。
終活の一環として遺言書の作成や生前贈与の活用を検討してみていただきたいです。
