■子育ての経験は貴重なもので誰でも経験できるものではありません!
少子高齢化社会と言われて久しいです。
少子高齢化社会と聞くと高齢化が問題のように思われがちですが、本当に問題なのは少子化の方です。
少子化により、子供の数が激減しています。
少子化で生産労働人口が減少することになりますので、今よりも経済が小さくなっていくでしょう。
国家としても危機的状況であるのですが、政治家だけでなく、国民も今一つ危機感が足りません。
ただし、少子化の足音はどんどん近づいています。
小学校や中学校、高等学校が廃校になったり、統合される話はよく出ます。
また、個人レベルでも少子化の波が来ています。
最近では、子持ち様と子なし様という言葉が聞かれます。
子持ち様とは、子供がいる方で、それが夫婦であれ、シングルマザーもいれば、シングルファーザーもいます。
子なし様は、独身や子供のいない夫婦です。
以前は、子持ちが大多数でしたが、少子化により、子なし様の比率が高まっているのです。
そうした影響が感じられる場面があります。
よくあるのが、職場で家族の話をすることが多かったりします。
以前なら、子持ちが圧倒的多数でしたから、子供の話でコミュニケーションを深めることもできました。
でも少子化により、職場によっては、子持ちと子なしが半々だったり、子なしが多数派であったりもします。
そうなるとどうなるかというと、子持ち様が家族や子供の話をすると、子なし様は嫌がったり煙たがったりします。
子なし様にとっては、子供の話をされても、子育ての経験がないため、共有できないので、辛いのです。
子なし様が多数派の職場であれば、子供の話をすると露骨に嫌な顔をされます。
ましてや子が小さければ、子の病気等で職場を遅刻や早退すると反発を受けます。
子持ちの人にとっては、それは仕方のないことだからと思って、仕事をサポートしてくれたり、共感してもらえます。
しかし、子なし様にとっては、「子持ちだからって、子供を原因として仕事をさぼっている」程度の意識しかありません。
子持ち様と子なし様の決定的な違いとは何かというと、子育ての経験値であると思います。
子育ては、妊娠から始まり、出産後から、ミルクをあげたり、おむつを交換したり、入浴したりといった一連の作業があります。
その後、子供の成長に伴い、幼稚園(保育園)の入園、小学校生活、中学校生活、高校生活、大学生活へと続いていきます。
子なし様はそのような過程を経験したことがないのです。
子育ての経験値は、人生においては、天と地ほどの大きな差が生じます。
子なし様は、そのことが全く理解できないのです。
これは、誰でもそうです。
子持ち様も子供が生まれる前は、子育ての経験がないのですから、その当時は理解できませんでしたが、子育て経験後は、大きな経験値を積んできたわけです。
子育ては、時間も労力もかかりますから、その苦労こそが修業とも言えます。
ですから、子育てを経験した人と経験していない人とでは、大きな溝があるのです。
この溝は、どうしても埋めることができません。
そのため、子持ち様と子なし様とでは、話がかみ合わなくなってしまい、軋轢が生じてしまうのです。
それが、子持ちハラスメントや子なしハラスメントにつながるのです。
やむを得ないことです。
どんなに仲の良い友人であっても、子持ち様と子なし様に立場が別れてしまうと友情関係にひびが入ることもあります。
また、どうしても子持ち様は子なし様を見下す傾向にありますが、これも相手の立場をわきまえるということ認識を持つことと、子なし様の前では子供の話をしないように気を付けるべきです。
なお、子持ち様であっても、子育てには一切かかわらなかった人もいます。
こういう方は、子なし様に限りなく近い存在です。
子育てを経験するということは、当たり前のことではなく、特別に与えられた試練と受け止めて、取り組むのがよろしいかと思います。
子育てが終われば、それまでよりも自由な時間が入りますから、その日が来るまでの辛抱です。
子なし様は、子育ての経験や苦労がわからない分、自由な時間がありますから、日々精進することこそ重要です。