■介護地獄に落ちた家庭を救う制度とは!
超高齢社会において、一番の問題となるのは介護です。
家庭内で要介護者が出た場合、同居の家族が介護を行うことから始まります。
初めのうちは、家族のためと思って介護を頑張っていきます。
ところが時間の経過とともに、精神的にも肉体的にも経済的にも負担感が増していきます。
介護というものは経験したことのある方にしかわかりませんが、終わりが見えない辛さも持ち合わせています。
ですから、我慢の限界を超えると、要介護の高齢者に対して今まで通りに接することができなくなります。
また高齢者自身も身勝手な言動を繰り返すと介護者の堪忍袋の緒が切れてしまい、虐待することも起こり得ます。
家庭内での虐待行為は第三者には見えないため、その壮絶さや痛みというものが当事者間でしかわかりません。
それでも、やはり限度を超えて虐待行為が続くと命に係わることにまで発展しかねません。
そこまで来ると、もはや家を出て緊急避難を行うしかなくなります。
そのような虐待行為に対する一時的な保護を緊急一時保護といいます。
緊急の対応が必要な事態になった場合、ただちに行政に通報します。
通報ができるのは、高齢者本人はもちろんです。
しかしながら、要介護状態ですから自分で通報するのは難しいです。
したがって、高齢者本人だけでなく、高齢者宅を訪問する機会がある民生委員や町内会の方やご近所の方、新聞配達や宅配便の方でも通報することができるのです。
虐待の事実を知ったら、ただちに市町村役場や地域包括支援センター、社会福祉協議会に連絡してください。
通報後、行政として、家族との別居が必要と判断すれば、ただちに特別養護老人ホームや有料老人ホーム、ショートステイ等に入所することができます。
一時的な対応ではありますが、高齢者自身あるいは同居の家族の命を守るための措置です。
ただし、実際のところ、一時的な対応だけで終わるわけでなく、高齢者や介護者の状況を聞き取り、今後の対応や生活を判断します。
その結果、そのまま介護保険施設で暮らしていくこともあります。
虐待が起きているのですから、そのまま家に帰って暮らすというのは現実的には難しいです。
介護者にとっても、介護地獄から脱出できるのですから、精神的にも肉体的にも負担は軽減されます。
本来なら、もっと早く介護保険のサービスを利用すればよかったのですが、家族や親族の意向等もあったため、利用ができなかったりもするのです。
また、介護保険のサービスそのものを知らない方もいます。
ですから、介護はすべて家族が担うものであるという誤った考え方のままでいるために悲劇が起こるのです。
その意味で、緊急一時保護という制度は、介護で行き詰った家庭を救出する制度であります。
ちなみに、この緊急一時保護は、介護だけに限らず、虐待を繰り返す夫や父親から母子を避難させることも行っています。
家庭内で身の危険を感じたら、迷わず、行政や地域包括支援センター、民生委員等に相談してみることです。
何かしらの解決策を提示してもらえます。
介護が始まったら、家庭内だけで抱え込もうとせず、介護について相談できる専門家とつながっていると安心です。
