■遺言を作成するのは当たり前の世の中にするための方法とは!
週刊誌に相続に関する記事をよく見かけるようになりました。
相続に関心を持つ方が増えているのでしょう。
当職もこれまでに相続手続を数多く行ってきました。
相続手続というものは相続人の状況次第で難易度も変わってきますし、時間もかかります。
その中で、不本意ながら相続手続を終えることができなかったケースもあります。
それは、遺産分割協議がまとまらなかったことが大半です。
それほど、相続手続において遺産分割協議が重要かつ難解であるということの表れと言えます。
遺産分割協議がまとまらなかった時にいつも思うことがあります。
それは、「亡くなった方はなぜ遺言書を作成しなかったのだろう」ということです。
遺言書があれば、相続人が何人いても、事情がそれぞれあったとしても、遺産分割協議を行うことなく、相続手続を終えることができるのです。
ですから、本来であれば遺言書を作成される方がもっとたくさんいてもおかしくはありません。
ところが、現実は遺言を作成する方はまだまだ少ないのが現状です。
これは、遺言を作成する意義やメリットが伝わっていないことが要因です。
遺言を作成するのは資産家だけだと思う方もいるかと思います。
しかしながら、現実には、相続税が課税されないような案件であっても、相続人同士の協議がうまくいかないことはよくあることです。
ですから、財産が多いか少ないかではなく、相続人の状況を見て判断していただくのが賢明です。
やはり遺言作成のメリットが伝わっていないと感じる今日この頃です。
遺言とよく比較されるのが、生命保険です。
遺言の作成と生命保険は両輪の関係ともいわれます。
どちらも亡くなった後に効力が発生します。
生命保険のほうは、そのメリットが世間一般によく伝わっていますので、加入者も数多くいます。
生命保険の宣伝に関しては、テレビやラジオ、新聞等の主要メディアで広告が出ています。
生命保険会社は資金力もありますので、各社が盛んに広告に力を入れています。
また、営業活動も営業職員がこれでもかと電話や訪問営業を繰り返しています。
ですから、ここまでの認知度が高まり、加入者も多いわけです。
一方、遺言に関しては、その広報活動がそれほど行われているわけでもありませんので世間一般に広まっていないのです。
その理由について考察してみます。
まず遺言書作成に携わる団体の広報活動は以下の通りです。
1.公証役場
公正証書遺言を作成するときに、公証役場に依頼します。
公証役場では、ホームページやポスターの掲示は行っていますが、それ以外は特に宣伝や広告は行っていません。
公証人の先生がセミナーの講師を務めることはあります。
2.法務局
自筆証書遺言の保管をするときに法務局に依頼します。
法務局も公証役場と同様にホームページやポスターの掲示は行っていますが、それ以外は特に宣伝や広告は行っていません。
3.士業
遺言書作成に携わる士業は、弁護士・司法書士・行政書士です。
それぞれ、弁護士会や司法書士会、行政書士会では、ホームページやチラシ・パンフレット等で宣伝はしています。
あとは、個々の事務所で、ホームページやyoutube等で宣伝しています。
また、本を執筆していたり、遺言書の書き方教室やセミナーを開催している方もいます。
4.銀行
信託銀行では、遺言信託を売り出しています。
銀行の場合は、豊富な資金力を生かして宣伝することはできますが、遺言信託に関しては、それほど宣伝をしておらず、あまり表に出てきません。
5.終活団体
終活を支援する団体が終活の第一歩として遺言書の作成を勧めています。
小さな団体から全国規模に至る団体まで大小様々あります。
地域の情報誌から全国紙に至るまで広告を出しています。
セミナーも開催しています。
以上となります。
各団体や企業、各士業は広報活動を行っていますが、営業力では保険会社には敵いません。
もはや広報活動だけに頼るのは、限界があるのではないでしょうか。
それでは、どのようにしたら、遺言書作成が注目され、世間に伝わっていくのか、その方法を独自に考察してみました。
1.テレビドラマ
遺言に関するテレビドラマもあったかと思いますが、印象に残る作品は思い浮かびません。
それでも、以前、相続に関するテレビドラマがあり、反響はありました。
朝ドラや大河ドラマまではいかなくとも、ドラマにするとインパクトはあります。
2.芝居や寸劇
ドラマは製作費もかかりますので、芝居や寸劇でしたら、経費も削減できるかと思います。
共にリアルで見れる点がいいです。
3.youtube
動画なら短い時間でドラマ化することもできます。
再生回数が伸びれば、インパクトもあります。
4.漫才やコント
遺言に関する漫才やコントを見たことはありませんが、お笑い芸人にネタにしてもらえれば面白いでしょう。
5.CM
テレビやインターネットのコマーシャルも宣伝効果としてはインパクトはあります。
以上です。
エンターテイメントの力を借りるという手法もありではないかと思います。
遺言を作成することは悲観的なことではなく、前向きに捉えて生きてもらうために作成するのです。
そうすれば、遺言を作成しようというムーブメントを起こすことができるのではないと思います。
いざ相続が発生したときに、遺言が作成してあると、本当に手続がスムーズに終えることができたという経験を何度もしています。
この案件は遺言がなかったら、どれだけ大変になるのかということを思えば、遺言のありがたみを実感することができます。
遺言を作成することが当たり前のような世の中にしたいと思います。
これからも遺言作成のメリットを伝えていかなければならないと思います。
